パン屋さんにて

今日は、ちょっと用があって夕方、松坂屋に出かけました。


普段、繁華街とは縁のない生活をしているので、
松坂屋に出かけるのも1ヶ月に1回か、もう少し少ないかもしれません。


地下1階においしいパン屋さんが入っているので、
松坂屋に行くといつもそこに寄るようにしています。
そこにはレジが3つあって、1列に並んでお会計をしてもらうのですが、
いつのころからか、とても感じのいい店員さんがいることに気づきました。


その女性は、年の頃はわたしと同じか、もう少し若いくらい。
にこっと笑うと、美しく歳を重ねてきた証拠が目尻に刻まれます。
仕事ぶりはとてもてきぱきしていて、
言葉遣いも丁寧です。


ああ、感じのいい人だなあといつのころからか、注目してみていましたが、
こちらもそうたびたびお店に行くわけではないし、
行っても、シフトの関係か、お会いできないこともあるし、
お店の中にいらっしゃっても、ガラスの向こうでパンを運んでいたりすることもあるし、
毎回、お会計をしてもらうというわけでもありませんでした。


でもここ2、3回かな、行くとなんとなく目を合わせて、
「ああこんにちは」という感じで、会釈をするようになっていました。


今日は、夕方行ったもんだから、松坂屋の地下食品街はものすごく混んでいて、
歩くのもままならないくらいでした。
パン屋さんのレジにも長い行列ができていました。


彼女のレジに当たるといいなあと思いながら、長い列に並んでいましたが、
願いが通じたのか、ちょうどわたしの番には彼女のレジが空いていました。


「こんにちは」
「こんにちは。毎度ありがとうございます」
と、にこにこ。
笑顔がとても感じがいいんです。


今までお話したことはなかったけど、
思い切って、
「今日は、すごく混んでますね」
と話しかけてみたら、
「ええ、土曜日のこの時間は大変混んでいます。
 長くお待たせしてすみませんでした」
「いえいえ、そんなことはないんですよ」

てきぱきとレジを打ち、パンを袋に詰めながら話してくださるので、

「いつも楽しそうに働いてらっしゃいますね。
 こちらも元気が出ます」
と言ったら、
「ありがとうございます!」
と元気な声が返ってきました。


わたしも仕事をしているから、
仕事なんて、いつも楽しいことばかりじゃないことは重々わかっているけどさ。


でも嫌なこと、つらいことがあっても、人に接する仕事をしている以上は、
それを見せない努力が必要よね。プロとして。


日々、そう思っているので、
「この仕事、とても楽しくやってます」と伝わってくるような彼女の接客態度には、いつも感心するんです。
1ヶ月にほんの数分のことですけどねー。


それにしても、
昔、子供だったころ、母親と一緒に買い物に行って、
母親が知らない店員さんに話しかけたりするのを見ると、
「いやだ、どうして知らない人に話しかけるのよ、恥ずかしいわ」
って思ってました。


みなさんも、そうじゃありませんでした?


でも、この歳になると、そういうの平気になります。
というか、むしろ積極的に話しかけたくなります。


人はそれを「おばさん」と呼ぶのでしょうが、
でも長く生きてくると、わかってくることがあります。


長い人生の中で、
尊敬に値する人、この人みたいになりたいなと思える人に偶然出会える機会って、
ずいぶん少ないってこと。


もちろん、普段の生活の中で、
友達Aさんのこういうところはすごく素敵、見習わなくちゃ、
友達Bさんはこういう姿勢がわたしには足りないところ、見習わなくちゃ、
と思うことは多いのですが。


でも友達や同僚でなく、たまたまそういう人に出会えた時には、
とてもうれしくなるし、話しかけてみたくなるのが、人情ってものじゃありません?


人はそれを「おばさん」と呼ぶんでしょうけどね。
by powderblueY | 2012-06-23 23:11 | 日常 | Comments(1)
Commented by at 2012-09-27 13:52 x
イイね!


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