鈴虫

わが家では7月から鈴虫を飼っています。

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ジロのクラスの担任の先生が、どういうわけだかすごーく小さい鈴虫をたくさん学校に持ってきて、

「鈴虫飼ってみたいやついるかー? いくらでも持って帰っていいぞ」

とおっしゃったので、ジロは容器を持って行って、10匹もらってきたんです。


飼い始めた頃はものすごく小さくて、体長5mmくらい。
白いひげが生えているので、そこにいるんだとやっとわかるくらいの小ささで、
エサのナスを交換するときに、あやうく一緒に捨てそうになったことも。


でもナスを食べてすくすくと成長し、
ちょうどお盆の渡嘉敷に行く直前くらいに鳴き始めました。


鳴き始めたっていっても、最初は

「リ」

って感じなんですよ。

「え? 今なにか言った?」
と耳を澄ませていると、

「リリ」

「え? それ、もしかして鳴いてるの?」
というような下手くそな鳴き方でしたが、
渡嘉敷から帰ってきてみると、

「リーン リーン リーン」
とすごくいい声で鳴いていました。


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鈴虫は鳴くのはオスだけですが、
こんなふうに羽を立てて、それをふるわせて鳴くんです。


朝わたしが起きた瞬間にはもう「リーン リーン」と鳴いているし、
仕事から帰ってきても「リーン リーン」と鳴いているし、
夜中もずっと鳴いていました。
ずいぶん癒やされたものです。


ところが、先週にふと気づいてみると、
鈴虫が鳴いていないんです。


「あれ? 鳴いてないね。どうなっちゃったんだろう?」

と見てみると、
あんなにいたはずの鈴虫が、なんだか減っているような・・・

ジロと一緒に数えてみましたが、
10匹いたはずの鈴虫が、6匹しかいないんです。


「お母さん、鈴虫って共食いするんだよね?」

「う、うん、確かそんなような・・・」

「オスとメスの数が合ってないと、あまってるやつが食われちゃうんだよね?」

「でも10匹いたときは、オスメス5匹ずつだったじゃん」


しばらくすると、また鳴き始めたのですが、

「リーン」
と一声鳴いて終わりだったり、
「リリ」
って思わせぶりに終わっちゃったり、なんだか下手くそなんです。


それで考えたんですけど、
鈴虫はどうして鳴くかっていうと、オスが鳴いて、メスにアピールしてるわけですよね。


そうすると、合コンで、かっこよくて話もおもしろい男子から売れてくように、
鳴き声が美しいオスから売れてくと思うんですよ。


鳴き声の美しいオスは「いや〜ん、スズオくんの声、すてき♪」と寄ってきたメスと、さっさとつがいになり、
二人してしっぽりと闇に消えていくわけです。


するとっ、
さっきまでおしとやかそうだったメスのスズコさんは、
いきなり凶暴化し、交尾の終わったスズオくんを、ばりばりと食っちゃうわけですよ。


こうして、鳴き声の美しいオスから、だんだんといなくなるってわけ。
残されたのは、まだつがいになれない歌の下手なオスだけなのさ。


という仮説を立てたわけですが、
どうかなー、これが真実かしら?


でも、メスに食われたにしても、
ヒゲも足もなにも残さず、ぜーんぶ食べちゃうっていうのは、ちょっとどうかな? って思うんだけどね。


今、下手くそながら一生懸命鳴いているオスは、
「ボクも早くかわいい女の子とペアになりたい! 歌をがんばるぞっ」
って思ってるんだろうけど、
晴れてペアになって交尾をしたあかつきには、
無惨な末路が待っている、って
なんだか結婚生活の真理を突いてません??
by powderblueY | 2012-09-18 23:59 | 日常 | Comments(0)


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