「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」

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予告編を見たときは、つまらなさそ、って思ってました。
絶世の音痴なのに、自分だけが気づいてない歌手のマダム・フローレンス(メリル・ストリープ)と
妻に酷評を聞かせないようにして支える夫のシンクレア(ヒュー・グラント)。
「裸の王様」的な感じ? メリル・ストリープがなんだかイタイわ。


でも実際観てみたら、ちょっと違ったニュアンスの映画でした。
いや、マダムの歌は本当に音痴で、ここぞというところでは必ず音をはずし、
下手うま、ではなく、本当に下手なのですが。

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夫のシンクレアは伯爵が妾に産ませた子という触れ込みだけど、そんなの本当だかどうだかわからないうさんくさい人物。
マダムの財産目当てに結婚したと思われます。
マダムがある病気を持っていることを理由に、結婚当初から、いま風に言えばセックスレスだと。
そして自分は愛人がいる。


そんなむちゃくちゃな、って思うでしょ。
ただ財産目当てのひどい男じゃんか、って。
でもどうやら違うの。
マダムの「歌手になりたい」という純粋な気持ちを、本当に心から支えている。


世間知らずで箱入り娘でイノセントなマダムを、本当に愛していたのね。実は。


マダムのひどい歌も、当時(第二次世界大戦末期)の世相には受けたみたいで、
帰還した軍人たちのすさんだ気持ちを慰める十分な役割を果たしていたみたい。
もちろんみんな、下手くそだと思いながら聞いてるんだけど、
あまりの下手さに笑えてくるのね。
客席はあたたかい笑いに包まれるわけです。


実はこれ、True Storyで、
マダムがカーネギーホールで歌った、音が外れっぱなしのひどい歌は、
今でも、カーネギーホールのアーカイブスの中の人気No.1らしいです。



by powderblueY | 2016-12-13 12:04 | 映画 | Comments(0)


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