朝、寝ぼけまなこで起きてきたはな子が言いました。
「今ねえ、夢みてたんだよ」
「どんな?」
「公文に馬で行ったんだよ」
「へ?」
「いつもは自転車で行くんだけど、今日は馬で行く日だなと思って、馬に乗って行ったの」
「乗馬なんてしたこともないのに」
「公文に着いたら、みんな馬で来てて、入り口に馬係の人がいて、
馬を預かってきちんと並べてくれたの。
10匹くらい馬が並んでたの」
「馬は10匹じゃなくて10頭だけどね」
「公文が終わって外に出たら、その馬係の人がいなくて、
自分で綱をほどいて馬に乗って帰ろうとしたら、
係の人がいないもんだから、馬がぜーんぶついてきちゃって」
「で?」
「うわっ、みんなついてきちゃった、どうしようってあせったら、
公文の宿題を全部ばさーっと落としちゃった」
「で?」
「終わり」
「ふーん。
その夢の意味するところは、
つまり、公文の宿題をやりたくないってことだね」
「そうだね。わたしもそう思うよ」
朝からなんとも締まりのない会話なのでした。